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真夜中の焚き火 

「写真、そこの厨房で焼いちゃってくれんとですか?」
と、いきなりお客さんに言われたのである。

何言ってんだこの人、と思いながら、話を聞くと、
要するに、昔のしがらみを断ち切りたいんだそうだ。
そして、今から行って、取ってきますわ、と言いながら店を出て
しばらくして戻ってきて、本当に、写真の入ったファイルを持って帰ってきた。
見せてもらったら、これ焼いていいのか?って思うくらい
子供のころの写真もあって、ほんとにいいの?と聞いたら
「他人にはいい写真でも、当人にとってはそうじゃないってこと、あるじゃなかとですか」と
返事が返ってきて、なんかその言葉に妙に納得させられて
よくわからないところのある常連さんなのだけど、
なんとなく可愛げがあって好きなお客さんの一人なので、付き合うことにした。

でも、あたしの厨房で写真焼いたりしたくないし、
じゃあ店終わってから、武庫川の河川敷に行って焼こう、という話になった。

店の閉店時間まで待ってもらって、パタパタと仕舞い
武庫川の河川敷に行った。

夜の武庫川を歩くのは初めてだ。
ひとりで行くには怖いから、日がある間しか歩いたことがない。
天気が良くて、星が綺麗に見えて、
武庫川駅の明かりが川面に照り映えて、とても綺麗だった。

いろいろ、くだらなかったりくだらなくなかったりする話をしながら
河川敷を歩いて南のほうへ、行けるところまで行って
コンクリの上にぺちゃりと座って、この連日の寒気団の中、
焚き付けを器用に燃やしながらお客さんは焚き火を作った。
そして、写真の束をあたしに渡して、
「やっちゃってください」、と言ってぽい、と渡されたので、
燃やしちゃったら戻らないから、焚き火で終わってもいいんじゃない?と聞いたけど
あぁもう、いいんだな、って思って、えい、と小さな焚き火に投げた。

写真ってのは、火がつき始めたらメラメラとねじれるように
溶けるように焼けていく。

人の思い出なのに、なんか、燃やしたらすっきりした。

お客さんは、燃えていく写真をじっと見ていたが、
ありがとね、と言いながら、火の始末をして、
来た道を歩いて、行き道よりもすっきりした顔をして帰った。

不思議な夜の散歩だったが、店をやっていると
いろんな人が来て、こんな夜もあるのだな、と。

多分また来るだろうけど、次来てくれても普通の顔でいようと思う。





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コメント

いろんなことありますね

厳密に言うと、街中のたき火は禁止でしょうけどね。そのほか、ホームレスと間違われる恐れも・・・(^^ゞ

>とりさん

まぁそうなんですけどね。
あんまり深く考えずに読み流してください。
ちょっと面白い夜だったから、記録しておきたかっただけなんですよ。

別に・・・

咎める意図はないっす
そういう、プチアウトロー?大好きですから(小市民なもんで)。でも「燃やしてくれ」ってどういうつもりだったんでしょ?? たぶん、くまりんさんが「おふくろ」的な雰囲気であるが故なんでしょうね

>とりさん

あれからもチョコチョコ来てくれますけど、面白い人ですわ。
おふくろ、かぁ~~。
確かに、子供っぽいところのある人なんで
そうかもしれません。
結構いい年なんですけどね。

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